広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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猫の膿胸 [News]

●花子 日本猫 1歳4ヶ月 ♂
「呼吸状態が著しく悪く、全身状態も悪いので処置してほしい」と他の先生からご依頼いただきました。確かに体位を変化させるだけで呼吸困難に陥ります。まずは、酸素補給、重度の脱水を強制するための強心剤入りの輸液を行い。3時間後にレントゲン撮影と全身麻酔による処置を行いました。

膿胸の原因は?
一言で言えば胸腔内の細菌感染から生じます。細菌が胸腔内に入る考えられる原因は、喧嘩による咬傷、肺炎、他の部位からの波及によると言われます。原因菌は、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などが分離されます。

●膿の吸引
最初に応急的に口径の細いチューブをいれて膿を抜きました。肺が十分膨らみ状態が落ち着いたのを確認後、太い胸腔チューブに入れなおしました。

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約300mlの膿を吸引することができました。洗浄を繰り返し、採取した膿を培養検査に提出し、適切な抗生物質の選択を待ちます。院内での細胞診検査では、球菌による感染を強く疑いました。

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●処置後(翌日)
最悪の状況が嘘の様に落ち着き、食事をいただくこともできるようになりました。胸部レントゲンの結果は、単なる膿胸ではなく、胸腔内に塊状病変の疑いがあり、さらに詳しい検査が必要になりそうです。まずは、一命を取り留めました。

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●太郎のお見舞い
翌日には、いつも一緒にいる太郎が面会に訪れました。花子ちゃんも嬉しそうに太郎の背中に乗ってくつろぎ、2人の仲の良さが分かります。

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猫の肝リピドーシス [News]

●クー 日本猫 6歳
主訴は「4日前からの嘔吐」でした。飼い主さんは脱水を心配してストローで水を飲ませていたそうです、しかし、飲ませながらも嘔吐は続いていました。食欲はありません。

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●肝リピドーシス
肝リピドーシスとは、飢餓状態に陥ると脂肪分解がおこり、その遊離した脂肪酸が肝臓の細胞にとりこまれ蓄積した状態を言います。特に肥満した猫では、原因にかかわらず、数日(2日)以上の食事摂取量の低下により肝リピドーシスの危険性が高まります。

●検査
血液検査では、黄疸と肝酵素の上昇、奇形赤血球の出現、凝固異常などです。
有効な検査は、超音波で肝臓を観察する、また超音波を用いて肝臓に針を刺して細胞を吸引、観察することです。
以下は、肝臓穿刺で得た細胞写真です。

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●治療
まずは、速やかに嘔吐を止めて、食事を給与することです。早期に栄養給与を開始すれば90-95%の回復が見込めると言われます。また、食欲不振におちいった基礎疾患(胆管炎、膵炎、炎症性腸炎、腫瘍など)を合わせて追究する必要があります。


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実習生感想文 [実習生感想文]

今回の3日間の実習で、初めて動物に鍼治療を行うところを拝見させていただき大変勉強になりました。他にもオゾン療法を取り入れているところを拝見して詳しく勉強したいと思いました。また、診察の際には、飼い主の方からの質問に的確に答え、検査に必要なものを素早く用意し、スムーズに診察が行われているのが印象的でした。

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 そして、院長先生をはじめスタッフの皆様が、飼い主の方に的確に説明されている場面を拝見した際、わからない点が多くあり、勉強不足であることを自覚しました。それから、「動物と飼い主の方に思いやりと優しさをもって医療に携わることや最高の努力を積み重ね総動員する」という考えに共感しました。これからはこの考えの基で日々精進していきたいと思います。
 スタッフの皆様には、丁寧に指導いただき大変感謝しております。本当にありがとうございました。 

倉敷芸術科学大学 生命科学部 生命動物科学科 3年 安藤絵里加 

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実習生感想文 [実習生感想文]

先日3日間実習させて頂き誠にありがとうございました。
実習中には飼い主からされる質問を的確に答え、治療の重要性を熱心に分かりやすく説明されており、とても勉強になりました。特に針治療や理学療法とオゾン療法を初めて実際の現場で見ることができ、印象に残りました。
また、エコー検査などの際に動物を保定させてもらい、ご指導頂きありがとうございました。そして、看護師さんのレベルがとても高く、私は、獣医師との話を聞いていて分からない部分がたくさんあり、勉強不足であることを自覚しました。
今回の実習を元に、専門的な知識を深め、次に活かせるように頑張って行きます。
看護師さんや獣医の先生方にはお忙しい中にも関わらず実習させて頂き誠にありがとうございました。



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倉敷芸術科学大学 生命科学部 生命動物学科 3年 渡部智大

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