広島県呉市「石崎動物病院」

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犬の脛骨、腓骨骨折と耳血腫 [News]

●もも 柴 ♀ 7ヶ月
「帰宅したら足を挙げていた」主訴で来院されました。触診、視診で明らかに骨折を疑いました。鎮静を施して、レントゲン撮影を行いました。

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術後写真

●患肢(横)
下肢を構成する脛骨、腓骨共に骨折していました。

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●患肢(縦)

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●手術
手術の選択肢は、@開放してプレートを装着するA骨折部位には触れず創外固定を行うB骨折部位を修復して創外固定を行うなどの方法がありますが、飼い主さんと年齢、費用、性格などを含めて相談の上、Aの方法を取ることにしました。

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●術後
2本を固定した時点でできるだけ上下の関節アライメントを合わせ、4本のピンを挿入し固定しました。年齢が若いので1ヶ月過ぎには、ピンを外せると思います。手術翌日からは、患肢を着地して歩くようになりました。

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●耳血腫
耳も痛がると訴えがありました。僅かな腫れでしたので分かりにくかったですが、軟骨と皮膚の間に血漿液が溜まる左右の耳血腫であることが判明しました。

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●術後
膨らんでいる部分の皮膚を3mmのパンチで穴を開けて固定しました。

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●10日後

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●60日後の患肢
「すごく元気で走って困りますー!」と嬉しい悲鳴を聞きしました。来週のレントゲン撮影後に装具を外す予定です、散歩は良いのですがどうか足を引っ掛け無い様に注意して欲しいものです。

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猫の歯髄感染症 [News]

●14歳 mix モモ
「2-3日前から食べなくなって、顔を触ると嫌がる」主訴でラインされました。写真で分かる通り、顎の下が腫れています。血液検査では炎症像のみが引っ掛かりましました。身体検査をクリアしたので、麻酔下であごの部分の精査を行うことにしました。

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●レントゲン撮影
歯科専用のレントゲン装置で歯と骨の状態を検査しました。

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軟部組織が激しく腫れ(白⇒)、その下の下顎骨は中心部が黒く変化し骨膜増殖(赤⇒)があることから、感染症を疑いました。

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●探査
左下顎の犬歯が折れて、その周辺の歯肉が赤く炎症を起こしていました。折れた歯に沿ってプローブを挿入すると下あごの皮膚まで到達し、大きなスペースを形成していました。そのプローブの挿入口からは多量の膿が湧き出てきました。

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●抜歯
問題となっている犬歯のほとんどは溶解していました。抜歯後、
歯科用のバーで抜歯後の歯槽骨を薄く削り、洗浄を繰り返しました。

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●ドレイン装着
下顎の先端部に排液チューブを装着し、犬歯を抜いた部分は縫合を行いました。

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●考察
人間であれば、折れた歯の歯根とその周囲が疼けば直ぐに歯医者へ駆け込むのでしょうが、動物の場合は食欲がなくなるまで気づけないことが多く、普段から自宅での身体検査を充実するか、あるいは定期検診を充実して欲しいと思ったケースでした。


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犬の頚部腫瘤と外耳炎 [News]

●コッカー 12歳 ♀ 
それは、それれは、凄いにおいを発して来院されました・・・・
長期に渡り大きくなった腫瘤がはじけ、その摩擦と滲出液による周辺皮膚の慢性炎症が見られました。「近所の先生には、高齢なので、手術をすると死んでしまうよ!」と言われ、今日まで約2年間程放置してきた様です。早ければ早いほど、小さければ小さいほど外科手術の侵襲は少なくなります。手術前にしっかりと検査を行い安全を確認し、また、その検査で手術ができない状態であれば、速やかに改善策を検討して手術に臨むことが肝要です。

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●慢性外耳炎
臭いの原因は、腫瘍の破裂と外耳炎が併発していることが分かりました・・・・。こちらも長期に渡り慢性炎症が続くことで、耳道の著しい増殖と慢性感染が発生していました。このようなケースの多くには、アレルギーが根底に潜んでいますので、アトピーあるいは食物アレルギーあるいはその両方が関与しているのかを、しっかりと鑑別して治療方針を立ち上げなければなりません。姑息的に対症療法をくりかえすだけでは、その治療薬による副反応で新たな病気を発生させることになります。全ての病気は「元から立たなきゃダメ!」なのです!

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●7日後
耳からの滲出液の培養結果は、緑膿菌でした。通常、ここで抗生剤を使用するのですが、当院の方針では使用を控えます。増殖病変のある環境では、たとえ培養検査でヒットした抗生剤を使用しても、再び感染が再燃します。また、アレルギーがベースにあると炎症が継続し感染がコントロールできず、軽減したとしても一時的になります。

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●摘出腫瘤
首が軽くなり、動きも良くなりました。耳の治療は、漢方薬と鉱石の粉を点耳します。10日後の抜糸では、切除創はすごくきれいで、左右の外耳共に80%の改善が見られました。アレルギーに関しては食事アレルギーが疑われるため、特定の蛋白質に限定して開始しました。外耳は様子を見ながら摘出術を行うかどうか決めたいと思います。

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●2週間後
特定蛋白を食べ2週間が経過しています。耳の匂いも大幅に減少し、赤みも少なくなってきました。炎症が取れても増殖病変が残りますので、外耳道切除術を行うかどうかが今度の課題です。

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