広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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犬の食物アレルギーとアカラス感染症 [News]

●ボストンテリア ♀ 8か月
初めは股に始まった膿皮症(皮膚感染症)でした。ブドウ球菌の感染を抑えるために短期間抗生剤の処方を行いました。再び1か月後に皮膚を掻きむしると再び来院されました。皮膚の検査を行うと、寄生虫であるアカラスが見つかりました、アカラス症の治療を行うも皮膚の炎症が徐々に増悪しはじめました。

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●悪化した皮膚病変
深刻な状況故に写真撮影をお願いする雰囲気もなく、改善後に飼い主さんからいただいた写真です。光が足らず見えにくい写真ですが、皮膚病変は顔から尾まで全身におよび、真っ赤にはれ上がり、感染症により膿が噴出し、一睡もできないほどの著しい痒みがあり、飼い主さんも動物もそれは、それは、大変な日々でした。

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●途中経過
アカラス症の治療と並行して、アレルギーを検討しました。年齢的に考察して食物アレルギーを最優先して食物トライアルを開始しました。

●4か月後
食物トライアル中に皮膚病変が著しく増悪した結果、飼い主さんは何度も何度も折れそうになりました、診察の度に暗い顔を拝見することは、お互いに辛く憂鬱な日々が続きました。幸い我々の励ましに応じ、最後まで信じて通っていただき、おやつを含め指定した食物以外は何も与えないよう厳格に指示を守っていただきました。

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すっかり綺麗になった現在は、飼い主さんとの笑顔に接することが何よりの楽しみです。


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犬の食事アレルギー(下痢と皮膚炎) [News]

●ブルドック 6歳 ♂
飼い主さんとは20年ぶりの再会でした。ワンちゃんの主訴は、「慢性下痢。下痢が2か月止まらず、痩せてだんだんと弱ってしまうので心配でしょうがない。そして歩けない。」と以前のご縁を辿って再び来院されました。

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●検査
昔話に花を咲かせながら、検査を勧めました。
検便では特に異常なし。
身体検査では、下痢による腹痛、脱水はなく、皮膚の炎症が著しいことが気になりました。この炎症は、小さなときからずーと継続しているとのことでした。

耳介の炎症

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指間の炎症

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下顎の炎症

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●治療(断食)
まずは、長期に続く下痢に対して断食をお願いしました。しかし、これを飼い主さんに理解してもらうことが、それはそれは大変なのことなのです。皆さん思うことは、@断食したら死んでしまうのではないかA痩せたら可哀そうB室内に一緒にいるので見るに忍びないなどなど・・・・。いつもお伝えする言葉は、「野生では毎日規則正しく食事をいただけることはなく、7日でも10日でも獲物がとれずさ迷い歩くことは日常なのです、しかし、彼らは目をぎらつかせて生き生きと生きているではないですか!?」「野生では病気になったら、何も食べず巣穴で横になって回復を待つのです」「人間と同じく飽食の時代は、つい最近の話であって、戦前は人間も動物も皆質素な食事をしていたのです。我々も動物も飢餓の遺伝子は備わっていても、飽食の遺伝子は持ち合わせていないのです、だからまずは断食して治癒促進、免疫増強、デトックス(毒だし)を行いましょう!」さらには「俳優の榎木孝明さんは30日間の断食(正確には不食)をされたけど、体調が改善され元気に生きてますよ〜!」と。

●結果
「不憫で可哀そう〜」と涙を流しながらも、何とか私の言いつけを守っていただきました、3日目までは下痢が続きましたが、7日目からは軟便に変化し、8日目から食事を徐々に開始し、ほぼ良便(正常便)に変化しました。飼い主さんにとってはその便がお宝の様に見えたと思います。
便が固まると同時に、皮膚の赤みが引き痒みが治まり、軽やかに歩けるようにりました。この理由は、食事アレルギーにより皮膚の痒みが治まり、指の炎症が低減することで痛みが和らぎ歩けるようになったからでした。
こんなに劇的に良くなったのに飼い主さんは、「食べたくてしょうがない子なので、絶食は2度としたくない」と言われます(笑)。


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実習生感想文 [実習生感想文]

学生時代を通じて初めて動物病院を見学させて頂いたのですが、病院スタッフの皆さんが飼い主の方々に信頼されている姿がとても印象的でした。親身になって飼い主の方に説明をされていたり、別の診療中にすれ違う時もまるで友人かのように親しくお話しされている姿を見て感動しました。

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最新の知識を取り入れられていること、不足する部分に代替するツールを持っておられることなど、素晴らしい環境が整っていると感じました。今後の獣医人生に必ず生きる1日であったと確信しています。本日は誠にありがとうございました。
山口大学 吉村和夫


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